こんにちは。漆畑です。
人は自分が生まれた時代やその少し前のことが気になると言われますが、これは自分のルーツ探しという誰もが本能的に持っている普遍的な関心事かもしれません。
私はというと60年代や70年代というのがまさにそうで、様々なカルチャー的関心はこの時代に多くあります。自分を生んだ両親はどんな時代に青春し、何に影響を受けていたのだろうか?とか。そのとき日本はどんな環境だったのか?世界は?そんな感覚、皆さんもありますよね。だから今10代や20代の若者が“写るんです”や“カセットテープ”に関心を持つのは当たり前といえば当たり前なのかもしれません。
メガネに関して言えばファッション的な成熟が飛躍的に成されたのも60〜70年代です。石油製品の加工技術が進歩し、プラスチック製品の立体加工が高精度化していったことでファニチャーや家電、アート、建築などの表現の幅が広がり多彩なデザインが生まれました。メガネデザインも多様化したアイテムのひとつです。
さて、メガネを形づくる上で無くてはならないものと言えばレンズです。ガラスレンズに代わって70年代中盤に登場したのがプラスチックレンズで、重たく加工性も悪いガラスレンズに悩まされていた人たちにとって非常に画期的なものでした。
現代のメガネレンズにはどのレンズにもマルチコートという反射防止コートが付いていて、明るさや不快なギラつきが抑えられるようになっています。写真に撮るとよくわかるのですが、メガネを掛けていても目元が白く反射しないのはそのためです。このコーティングはとても画期的で72年にHOYA社が開発した記録が残っています。それ以前のレンズは白く反射し、現代のように目元の明るさや透明感はありませんでした。
逆に考えればメガネをよりクラシックに見せようと思ったらあえて反射が起こるようにマルチコートを付けないという選択肢もあるということです。
しかしながらレンズ性能を考えると毎日使うものであるのにギラついた視界というのは堪え難いものがあります。
そこでG.B.Gが目を付けたのがこのレンズコーティングです。
HOYA社から発売されている“アイスコート”。
“アイスコート”
“アイスコート”
“アイスコート”
覚えていただきましたか?
正式には “SFTコート アイス” ですが “アイスコート”の方が覚えやすいですね。
こちらは従来の反射防止コートで反射色は緑。
こちらがSFTコート アイス。略してアイスコートです。反射色は白。
このコーティングのそもそもの開発意図は従来の反射防止コートだと表面の反射色が緑やパープルになってしまうため、カラーレンズにした際に本来の色がコーティング反射色に邪魔されてしまうことを防ぐことにありました。
それをG.B.G的ファッション視点から応用し、よりプロフェッショナルなクラシックアイウェアを提案します。
このコーティングの優れたところは反射色が白でありながら反射防止性能、超撥水、耐傷性能という先端機能を有しているという点です。なので見た目はレトロ、性能は現代というクラシック系フレームにはうってつけのコーティングなのです。
試しにタートを使って実験してみましょう。
山口くん、そこになおりなさい。
御誂え向きにタートを掛けているではないか。
こちらが実際のマルチコートです。反射色はパープルがかっており目元に透け感があります。これはこれでいいです。
ではアイスコートを掛けてもらいましょう。
どうです?反射色が白だといい塩梅でアナログ感出ませんか?
もうワンカット。
古いポートレートの何とも言えないノスタルジックな格好良さってありますよね。
それはレンズ表面の反射色による表情の違いも要因のひとつだということがおわかりいただけたでしょうか。
繰り返しになりますが、このコーティングの優れているところは反射色が白なのに映り込みやギラつきをあまり感じないという点です。
一見すると前時代的な見た目なのに視界は最新。
あの頃への憧憬と現代のハイテク技術による便利さは共存できないものとばかり思っていましたが、ひねくれた物の見方が功を奏し?G.B.G的ファッション提案“Premodern Look”となりました。
着眼としてはニッチなこだわりかもしれませんが上級お洒落テクニックとして覚えておいていただけると幸いです。
アイスコートは系列全店で取り扱いしております。
(プレス 漆畑)
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