ビル・カニンガムという生き方

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July.

2016.

皆さん、こんにちは。G.B.Gafas KYOTOの岡田です。

いや~蒸し暑い。いよいよ夏の京都の本領発揮というところでしょうか?毎年のことながら先が思いやれますね。

 

さて、去る6月25日、世界的なファッション写真家のビル・カニンガム氏が亡くなりました。

御年87歳ということでなかなかの大往生であったのは確かなのですが、何よりすごいのは80歳を過ぎてなおNYタイムズのファッションカメラマンとしてストリートでスナップを撮り続けていたこと。そして、彼の生き方そのものなのです。

私が彼の存在を知ったのは、2013年に日本で公開された映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」を見てからです。住まいはカーネギーホールの上にある一室(トイレ&シャワー共用)で質素なブルーのワークジャケット(フランスの清掃員の作業服だそうです)を毎日のように着用し、自転車でNYの街を駆け巡りながら街ゆく人々をフィルムカメラでシューティングしていきます。

雨の日にはビニールテープで補修したポンチョを羽織り、夜はセレブを撮影するため警備員が着るようなリフレクター付のベストを着て自転車にまたがり、パーティーをはしごするのです。

彼には一つの信念がありまして、自分の眼鏡にかなった人しか撮りません。どんな有名モデルや大女優、例えばカトリーヌ・ドヌーブであったとしても。

招待を受けたパーティーでも食事はおろか水さえ口にせず、一心にシャッターだけを切り続けます。つまり、特定の誰かに肩入れすることなく、着こなしの美しさや新しさのみを追求し、純粋にファッションが織り成すタペストリーを写し出そうとしているのです。

映画の最後、NYという都市で自分の信念に正直でいるのは風車に挑むドン・キホーテのようだ言っていたのが印象的でした。

彼がこんなに超ストイックな生活を続ける理由は至極明快。それはファッションを愛してやまないからです。少年時代に教会に集う女性が被る帽子のデザインに心を奪われて以来、ファッションの虜なのですね。

正直に申し上げて多くの人(もちろん私も含めて)はビルのように生きることは不可能でしょう。

しかし、年に数回、そんな無垢なバイブスが沸き起こる瞬間があります。展示会で思いがけないブランドに出会った時や、オリジナル商品の企画においてです。

今こそ何年代の○○型をかけるべきではないか?といった全体的なアイデアであったり、ノーズパットや丁番の形状などディティールからフレームの全貌が決まっていくケースなど様々ですが、チームでディスカッションをしいている時、つまり今欲しい眼鏡を話し合っている時、そこにはメンバーのこだわり(=愛)が存在しているのです。

 

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もうしばらくすれば、当社オリジナル『FISH&CHIPS』 、そして『Trip』 の新作が続けてリリースされます。そのこだわりを店頭でお伝えできれば幸いです。

 

(G.B.Gafas KYOTO店長 岡田)

 

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